ご注文番号:22143
刀:白鞘入り(特別保存刀剣)
銘:伯耆守平朝臣正幸(新々刀、上上作、薩摩)
享和二年戌二月
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は伯耆守平朝臣正幸作 としては上々作にランクされる作品です。
刃長:70.0cm
反り:2.6cm
目釘穴:1個
元幅:3.13cm
先幅:2.47cm
重ね:0.62cm
刀身重量:850g
時代: 江戸時代後期、享和二年(1802年)
体配:元幅3.13と先幅2.47cmと身幅が大変広く、
重ね 0.62cmとしっかりとして、反りが充分にある。
切先延びた体配の頗る優れた刀。
地鉄:板目肌に黒味を帯び、黒い地景がよく入る。
刃紋:沸出来、互の目乱れ、匂口柔らかく深々と付き、刃中に足が盛んに働き、
左文字を思わせるような、働きのある地鉄で砂流しと金筋が混じる。
帽子は乱れ込み、二重刃、掃き掛けが混じる。
特徴: 伯耆守正幸は二代正良の子として亨保十八年(1733)に生まれ、薩摩藩工として活躍した。一平安代、主水正正清に続く、新々刀前期の薩摩を代表する刀工の一人である。正近の門人で、初銘は正良と切り、天明四年(1784)頃に藩工に採用された。寛政元年(1789)に伯耆守を受領した際に、銘を正幸と改めた。翌年の正月頃に朝臣と刀銘に切る事を許された。志津風相州伝の作風が多く、刃中には「芋蔓」と呼ばれる独特の線があらわれる。文政二年(1819)に当時としても高齢の八十七歳で没する迄作刀を続けた。『錬刀作法伝』を著し、四十名以上の刀工達を教育したことでは、
江戸の水心子正秀と共に並び称される。
本作はその中でも特に地鉄の良さが抜群で、刃紋が見事で、正宗あたりを狙って制作された刀で、長寸で体配も良い。
特別保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定:全身押し形