ご注文番号:22123
刀:白鞘入り、拵え付き(特別保存刀剣)
銘:荘司筑前大掾大慶直胤(花押)
文政十二年二月日
新新刀:最上作:武蔵
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は 荘司筑前大掾大慶直胤(花押)としては 上々作 にランクされる作品です。
鎺:金着一重
刃長:2尺2寸6分5厘 68.64cm
反り:4分 1.21cm
目釘穴:1個
元幅:3.07cm
先幅:2.02cm
重ね:0.79cm
刀剣重量:830g
時代:文政12年2月
体配:身幅、重ねしっかりとして、反りが適度に付き、切先がのびた作品です。
地鉄:小板目肌良く練れて地沸がつき地景が働き映りが見て取れる。
刃紋:沸出来丁子乱れに互の目乱れが混じり、足良く働き刃中に金筋が働き匂口柔らかく足が盛んに働く。帽子乱れ込んで丸く返る。
特徴:美濃介藤直胤は安永7年に出羽国山形に生まれ本名を庄司(荘司)箕兵衛または大慶と称した。文政4年頃に筑前大掾を受領し嘉永元年に上洛して美濃守に転じている。 彼は若年の折に江戸に出て水心子正秀の門に入り後に師同様に秋元候に仕え細川正義共に学ぶ。水心子正秀に入門したじき時期は定かでないが彼が23斎の時に荘司直胤寛政13年正月日の銘がありこれより前の寛政11年か12年頃と推定され、文化初年頃に独立したと考えられる。安政4年5月7日に79歳で没している。
拵:
鍔:四つ木瓜形の赤銅鍔。紋様を刻み、中央部に素銅を用いて植物と模様を施す。
縁頭:赤銅地に唐草風の図柄を彫る
鞘:朱と黒で塗った鞘
目貫:赤銅地に九曜紋を容彫る。
鐺:赤銅地に樹木の図柄を彫る
栗型;赤銅地に唐草風の紋様や九曜紋を彫る
葵美術より一言:彼は年に三度の長旅に出かけていたため、それぞれの地で刻印が打たれている。伊豆の三島大社、韮山、修善寺、遠州浜松、伊勢久居、伊勢神宮を回って江戸に戻るという長旅であった。直胤は備前伝と相州伝がありますがどちらも上手で本作のごとく備前伝の作品には映りのある作品が多いです。本作も同様ですが江戸時代末期の作品としては大変珍しいと言えます。
特別保存刀剣
葵美術評価鑑定書:全身押し形 鶴田文佳