前回の回答は、
於南紀重國造之(初代)でした。
特徴:南紀重國は元来大和手掻の末流と云われ、始めは駿府で作刀したが
元和元年に徳川頼宣が紀州和歌山に移った際に従って移った。
彼の作風は相州伝上工に私淑した相伝の作品と先祖の作風である
、直刃出来の大和伝があるが後者の直刃出来が圧倒的に多い。
南紀重國は長寸の作が多いが命令に従った為摺上げられた作品が多く
本作も同様に1寸5分程摺上げられている。相州伝を表し地刃良く錵付き
地景、金筋の働きが豊富に看取され匂口がいかにも冴えて古作の志津を
思わせる出来映えである刀剣図譜より抜粋しました。
銘は於紀州和歌山重国造之、駿河住重国造之、於南紀重国造之などと銘を切ります。
大和伝と共に相州伝を焼く南紀重國の技量は素晴らしく刃中の働きは
正に古刀の相州伝を彷彿とさせる傑作の出来であります。
めったに出てこない相州伝の南紀重國の傑作刀を是非御薦め致します。
本作の彫りは生彫りで珍しく刃中に旗の部分が彫られております。
というのは刃紋の中に彫りを入れる事は硬度が高く彫る事はできません。
彫りをほった後に焼き入れをほどこした作品と言えます。
地金が良く重國の相州伝を是非お求め下さい。
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第323回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成26年12月26日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刃長:9寸4分8厘(28.72センチ)
反り:1分(3.03センチ)
目釘穴:1個
元幅:2.88センチ
重ね:0.48センチ
体配:身幅広め重ねやや厚く多少先反りの体配をした、たなご腹の茎をした体配の良い短刀。
地鉄:板目肌良く練れて肌立ち地錵が付き地景が良く入る。
刃紋:錵出来互の目乱れ、表裏の刃紋が良く揃い刃中、砂流。細かな金筋が働く。
ヒント
1:表裏の刃紋が揃う
2:茎が独特の形をしている。
3:地金は板目が良く見て取れ強く地景が入り」肌目が良くみて取れる
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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(弊社都合により鑑定コーナーに関するメールには返信できませんのでご了承ください。)