前回の回答は、
無銘(伝 則房)
でした。
特徴:この則房の地鉄の美しさは例えようもなく美しい。そこに映りが現れ、それもケバケバしい映りではなく、品のある見事な映りです。帽子もたっぷりとした作品で、乱れ込んで金筋まで焼いております。地鉄の良さをよく見ると、刀工の腕前に感心します。昭和刀を含めると数多くの刀が製作されたはずですが、この則房は珍しい程の清良な地鉄、また刃紋と言えます。
則房は助真、吉房と並んで華やかな丁子乱れを焼き、鎌倉中期の代表する刀工であります。 彼はのちに母田山の地に移住した為、片山一文字と称されております。従来は片山なる場所は備中国とするのが通例であったが、近年、備前福岡近在の片山ではないかとする説が浮上し今後の検討が待たれている。
則房の見どころは地鉄が強く冴えて丁子乱れがあり、助真、吉房らに比べて幾分乱れが小模様となり、逆さがかり、刃中の足が細かいところがあると言われている。本作は擦り上げながら反りが深く、尋常な身幅ながら重ねが厚く、ヒラ肉がよく保たれて手持ちのある堅牢な鎌倉時代中期太刀の面影をよく残している、地鉄には鮮明な映りが立ち刃紋は足、葉のよく入った丁子乱れを焼くなど、素直に一文字派を見せるものです。匂口の明るく冴えた出来口はいかにも則房に擬されるもので帽子の焼きもたっぷりと温存されていることも賞賛される。姿形、地刃ともに出色の名品であります。特別重要図譜より。
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第809回:今回の鑑定 誰でしょうか?(令和6年8月24日)
刃長: 2尺3寸1分(センチ)
反り:6分1(センチ)
目釘穴:1個
元幅:3.11センチ
先幅:2.47センチ
重ね:0.76センチ
刀剣重量:880グラム
体配:身幅が広く重ね厚く反りが強く、
切先が伸びた最上級の体配をした作品です。
地鉄:小板目肌よく練れて精良な地鉄となる。
刃紋:沸出来互の目乱れに小互の目乱れが混じり足が入り
帽子、丸く返る。
ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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