ご注文番号: AS25067
刀:白鞘入り(第45回重要刀剣)
銘:長曽祢興里入道乕徹
寬文五年極月十月 山野勘十郎久英(花押)両車雁両度切落
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております。
本作の出来は虎徹としては 最上作にランクされる作品です。
鎺:金二重
刃長:74.9cm
反り:1.1cm
目釘穴:1個
元幅:3.19cm
先幅:2.14cm
重ね:0.64cm
刀剣重量:790g
時代:江戸時代寛文頃
体配:身幅尋常で反りが浅くついて先にいくにつれて細くなり鋒がつまった長寸の刀
地鉄:小板目肌よくつんで地沸厚くついて地景が細かく入る。
刃紋:小沸出来、匂口締まって明るく冴えた直刃に小足が入り、小互の目を交える。
特徴: 長曽祢虎徹興里は近江または越前で甲冑師として活動していたが、明暦2年彼が50歳だった頃に江戸に出て刀鍛冶に転向したと言われている。切れ味に優れるとされ、1797年に刊行された刀の試し切りの結果を記した『懐宝剣尺』では最上大業物に指定された。当時から人気が高く、幕府の高官たちに好まれたため、贋物も多く作られていた。「虎徹」という銘であったが、寬文四年頃から「乕」という字を用いるようになった。
本作の裁断銘は寛文5年のものであり 、刀が製作されたのも同時期であることが推測される。
葵美術より一言: 裁断銘にある両車というのは腰部を指し、骨盤があるため切れにくいそうです。雁金は脇のことで同様に硬いそうです。虎徹の切れ味の良さを顕著に示した裁断銘だと思います。 地刃ともに明るく冴え、いかにも無駄を省いて切れ味を追求したかのような鋭さを感じさせます。
第45回重要刀剣指定書
葵美術鑑定書:全身押し形
オークション開始価格:60,000,000円