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日本刀の勉強 #5

日本刀の評価について
多くの愛刀家や識者は私などより日本刀に対する知識は豊富であり、私などが出る幕などはありません。しかし私が日本刀に携わって以来、これは初心者でも抑える必要があるのではないかと考えている部分を書かさせて頂き、少しでも役にたてばという事で紹介させて頂きます。
私達業者や識者は日本刀を評価する場合は日本刀のバイブルと言われている藤代先生が発行された刀工辞典や他の本を参考に最上作、上々作、上作、中上作、中作
と概ね判断をする傾向があります。
日本刀の評価は長さ、反りや体配、地金の様子、刃紋の出来、帽子の刃紋などを参考にしながら決められて行きます。
又時代時代や刀工の人気、特色によっても異なって参ります。
例えば新刀の津田越前守助広の最上作では濤乱刃の刃紋と匂口の浅い直刃刃紋とでは価格が5倍程も異なってきます。
助広が懸命に制作した直刃は紋の作品であろうと、助広は濤乱刃が圧倒的に評価されるのです。
 もちろん直刃で当然評価される刀工もあります。鎌倉時代の直刃出来の作品は殆ど評価されていますし、新刀や新々刀では仙台国包、近江大掾忠広、肥前刀の地鉄の良さや刃紋の匂口の深い味わいのある作品が評価されます。直刃であっても匂口が深いと価値が高いと言えます。
 しかし一般的に言いますと愛刀家は新刀、新々刀に関しましては概ね乱れた刃紋や丁字乱れを好まれる方が多いと思いますね。徳勝は柾目できの作品が大変評価されますが板目や杢目肌では価格が大きく異なります。
 先に書きましたが最上作に刀工辞典で記載されておりましてもその刀の出来によって大きく評価が分けられます。最近では位が低くても出来の良い作品又は歴史的に評価される作品を好まれる方も多くなって来ております。日本刀は刀工が懸命に祈りをこめて制作し茎の制作者の名前をいれますので中にはあまり評価されていない刀工でも素晴らしい作品を制作することがあります。
 その時々によって刀剣の評価や人気は異なって参ります。
現在では虎徹の人気は高く、脇差でも特別保存刀剣だと500万円以上の価格となっております。
しかし実際に見るとその作品の出来はそれほどでもないという事はよくあります。
 村正は末関に近い作品ですが人気は高く特別保存で短刀でも400万円以上の価格となっております。しかし虎徹と同じく出来の良い作品とそうでない作品が玉石混淆となります。
現在では相州伝は根強い人気があり次に備前伝、なかでも映りを出す刀工の新刀光平、常光、紀州石堂、福岡石堂は人気となっております。肥前正広などは夏の青空に浮かぶ積乱雲の刃中に金筋、稲光が見てとれる作品などは私は大変評価をいたします。
 日本刀の評価はそれぞれですが、体配、長さ、反り、瑕の有無、刃紋の様子、帽子の焼きの様子など、また自分自身の好みのよって評価は大きく異なりますので将来刀をご購入される方、自身の刀を売却する事を考えている方は参考にしてください。
 どんな刀でも愛情を込めて育て上げていくとその刀の良さが出てくるのだと私は考えます。以前ご紹介致しましたように私の愛刀は関物の兼常でそれほど高い物ではないですし傷や欠点はありますが、映りが素晴らしく大切に保有しております。やがて私が旅立つ時には私の供となるでしょう。
是非皆様が保有されている刀を大切に合い愛情をこめて楽しんで下さい。