前回の回答は、
備州長船兼光/貞和五年□月日 でした。
特徴:備州長船兼光は景光の嫡男として生まれ名を孫左衛門と称し、
当初父親の景光の作風を継承したが、相州伝を模索して相州伝と備前伝が
混じった新たな相伝備前と称する作風を完成する。
地金は通常の備前伝より地景が入り地金がより練れて肌目が良く識別出来る作品となり
刃紋も片落互の目乱れから相州伝を加え、のたれた匂口の深い刃紋で、
刃中の細かな金筋が働く作品を完成させた。
本作は正に相伝備前最高の地金となり明瞭な映りがあらわれ
相州伝の刃紋となり切先は尖って返る兼光独特の特徴を持った刃紋となります。
最上大業物14工の一で斬れ味に優れており(波泳ぎ兼光)鉋切り兼光等の異名を持つ作刀も多い
重要文化財には13振りが指定されている
在銘品は極めて少なく本作は備州長船兼光と銘があり裏銘も貞和5年紀の年期が刻まれている。
最上作として又最上大業物として最高位に君臨する滅多に出てこない作品。
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第353回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成27年08月29日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
この刀はだれでしょうか。
刃長:51.8センチ
反り:1.2センチ
目釘穴:2個
元幅:2.69センチ
先幅:2.0センチ
重ね:0.61センチ
体配:大摺上無銘無銘で今では長寸の脇差となった作品で
身幅、重ねしっかりとして切先がやや延びごころの体配をした作品
地鉄:板目肌に杢目が混じり地錵が付き柾に流れ細かな地景が入り地には映りが現れる。
刃紋:小錵出来、丁字乱れに蛙子丁字が混じり所々一文字を思わせる華やかな刃を形成する。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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