前回の回答は、
刀:栗原謙司信秀 と 脇差:正雄(山浦正雄)でした。
刀:栗原謙司信秀
特徴: 栗原謙司信秀は清麿一門として有名な刀工で
本国は越後通称栗原謙司、慶應元年頃
筑前守を受領しその頃信孝と名乗った。大阪においても制作する。刀身に龍や不動、梅枝の彫り物を多く制作する。
明治4年以降廃刀令ののちに越後に戻りその後は刀剣の制作は行わず
廃業したと考えられます。 本作に彫られた柳下十助継賢は幕臣で彼の依頼であろうと考えられます。
脇差:正雄(山浦正雄)
特徴:山浦正雄は清麿の兄に当たり銘は色々と変えている。
遊雲斎寿長、信濃国寿昌、正雄
寿長、天然子寿昌、信濃国小諸住山浦寿昌、源正雄造乃、源正雄、真雄、信州住正雄、
山浦真雄、松代住真雄、源朝臣寿長、山浦登源正雄造、信濃国真雄、遊射軒真雄、遊雲斎真雄
と銘をかなり変えております。正雄は山浦信風の子で駒次又は善太夫と称した。
弟の清麿とともに河村寿隆の門人となり匂出来、小沸できの丁子刃を制作していたが
その後は二人共に相州伝の作品を手がける様になりました。
本作は清麿とは変わらない、いやそれを上回る作品を制作することに成功しました。
刃紋は新刀の蘩慶を思わせる激しい作品で刃中の金筋はまさに圧倒されます。
第627回:今回の鑑定 誰でしょうか?(令和3年2月13日)
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刃長:76.4センチ
反り:1.6センチ
目釘穴: 1個
元幅: 3.15 センチ
先幅:2.18 センチ
重ね: 0.63 センチ
刀身重量: 845グラム
体配:身幅3.15cmと広く重ね厚く反りが深くつき
健全無比な姿をした作品です。
地鉄:小板目肌実に良く摘んで地沸がつき
最上級な地金となる。
刃紋:沸出来、直刃、匂口が深くつき足、葉が盛んに働き
刃中、煙る朝霧を思わせる風情で砂流、金筋が盛んに働く。
帽子:匂口が深々と丸く返る。先金筋が働き
匂口が深く圧倒される刃文であります。
ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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(弊社都合により鑑定コーナーに関するメールには返信できませんのでご了承ください。)