前回の回答は、
肥前国近江大掾藤原忠広
でした。
特徴:ほとんどの忠広は直刃であるがこの作品は互の目乱れで珍しくできも大変優れた作品です。肥前刀の近江大掾は地鉄の美しさと匂口の深い直刃波紋。あるいは頭の上部を揃えた互の目乱れとなり、その美しさは地肌の綺麗な地鉄とともに抜群の美しさとなります。
この地鉄の美しさは鍋島藩の地鉄を製作して自分たちの品物として他国へ漏らさないという強い掟があったと思うのです。この約束は江戸時代後期まで続き最後の忠吉に至るまで続いたのです。したがって肥前肌はどの刀工もできなかったのです。 例えば豊後には初期かなり上手な刀工がおりましたがこの刀の地鉄は残念ながらできませんでした。 それほど肥前刀は秘密裏に鉄を製作していたのであろうと考えるのです。
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第822回:今回の鑑定 誰でしょうか?(令和6年11月23日)
刃長: 68.2センチ
反り:1.7センチ
目釘穴:3個
元幅:3.32センチ
先幅2.38センチ
重ね:0.7センチ
刀剣重量:815グラム
体配:身幅が広く重ねのしっかりとした
反りの深い鋒ののびた健全な作品です。
地鉄:小板目肌よく練れて黒味のする地鉄となる。
刃紋:沸出来、匂口の深い尖互の目乱れが続く。
刃中、砂流。金筋が働き帽子。乱れ込んで小丸に返る。
ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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