ご注文番号:21707
刀:白鞘入り(保存刀剣)(委託品)
銘: 長運斎綱俊
□永元年八月日
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は長運斎綱俊としては上々作にランクされる作品です。
はばき:素銅地一重
刃長:69.8cm
反り:1.9cm
目釘穴:1個
元幅:2.85cm
先幅:2.08cm
重ね:2.88cm
時代:江戸時代末期
体配:身幅、重ね尋常な反りの深い切先の延びた体配の良い作品
地鉄:小板目肌よく練れて地錵が付き
山城の地金を思わせる精良な地金となる。
刃紋:小錵出来出来、丁字乱れに互の目乱れを焼き
足良く入り帽子、乱れ込む
特徴:初代長運斎綱俊による刀。綱俊は和泉守國秀の三男で、
山形藩工で濤瀾刃の名手であった加藤綱英の弟。寛政十年(1798)生まれ。本国出羽、米沢藩上杉家の抱工という。
加藤八郎と称し、是俊とも銘した。水心子正秀に学び、長運斎と号す。江戸に移住しさらに大阪に上がり、鈴木治國に師事したのち、
西国を遊歴、熊本に駐槌。安政三年(1856)には長運斎を息子の是俊、二代綱俊に譲り、銘を長寿斎と改める。文政六年(1823)頃より江戸麻布の上杉家中家敷に住み、文久三年(1863)十二月六十六歳で没した。甥に七代石堂是一、弟子に固山宗次、高橋長信、青竜軒盛俊など優れた門人がおり、幕末の江戸で一大流派を築いた。殊に備前伝では水心子一門を凌ぐ勢いであったと言う。
葵美術より一言:本作の長運斎綱俊の刃紋は固山宗次の良くにた作品です。一般的に固山宗次の切先刃文は乱れ込む作品が多く綱俊は丸く返る作品となります。本作は全く逆で珍しく鑑定では見間違うかも知れませんが刃紋が小詰んで宗次とは異なります。出来の良い作品ですので是非お求め頂ければと考えます。
保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書:全身押し形