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鑑定会:第303回



前回の回答は、
於東都加藤綱俊/天保二年八月日でした。
特徴:綱俊は和泉守國秀の三男で、山形藩工で濤瀾刃の名手であった加藤綱英の弟。
寛政十年(1798)生まれ。本国出羽、米沢藩上杉家の抱工という。加藤八郎と称し、是俊とも銘した。
水心子正秀に学び、長運斎と号す。江戸に移住しさらに大阪に上がり、鈴木治國に師事したのち、西国を遊歴、熊本に駐槌。
安政三年(1856)には長運斎を息子の是俊、二代綱俊に譲り、銘を長寿斎と改める。
文政六年(1823)頃より江戸麻布の上杉家中家敷に住み、文久三年(1863)十二月六十六歳で没した。
甥に七代石堂是一、弟子に固山宗次、高橋長信、青竜軒盛俊など優れた門人がおり、
幕末の江戸の一大流派を築いた。備前伝では水心子一門を凌ぐ勢いであったと言う。
本作は一見すると横山祐包、祐永の作品に酷似しており時代的にいって綱俊が先輩となる処から横山祐永とかなりの交流
があり横山祐永が綱俊から学んでこの独特の丁字乱れを継承していったと考えられます。 
一方綱俊は沸出来の固山宗次の作風に近い作品を制作するようになっていったのかも知れません。
いずれにせよ本作は重華丁字乱れの作品を見事に制作し身幅広く重ねの厚い大切先の体配の良い見事な作品です。
正に天保打ちの出来の良い作品です。
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第303回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成26年8月8日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刃長:2尺3寸9分5厘(72.57センチ)
反り:4分(1.2センチ)
目釘穴:1個
元幅:3.15センチ
先幅:2.05センチ
重ね:0.71センチ
体配:身幅広く重ね厚く反り適度に付き切先の延びた体配の良い刀
地鉄:小板目肌実に良く詰んで地錵が付き綺麗な肥前独特の小糠肌となる。
刃紋:錵出来互の目乱れ乱れ高低に変化があり夏の積乱雲を思わせる作品で
匂口深く刃中、足良く刃入り砂流、金筋が良く見て取れる。帽子大きく丸く返る。
地金;非常に詰んでよい地金。
刃紋:互の目乱れ、刃区より直刃でその先互の目乱れ、夏の入道雲を思わせるような
刃紋で刃中砂流し、金筋が良く働く。茎は画像の通り。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。

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