前回の回答は、
葵紋 康継於越前之(越前三代)でした。
特徴:越前康継は美濃赤坂千手院の系統で、室町時代末期に越前に移住し
当初、下坂銘肥後大掾銘で制作したと云われる。 慶長時代18年(1613年)に、家康に呼ばれて出来の良さに、五十人扶持の士分待遇として
お抱え工として仕える事となり茎の上部に葵の紋を入れる事が許され、
康継は代々幕末に至迄(9代)葵の紋を入れる。
本作は、二代康継の没後に跡目争いが起こり、三代目は右馬助が
江戸下坂家を踏襲し、四郎右衛門が越前下坂家の分家を継ぐことになった(越前三代)。
本作は越前3代すなわち四郎右衛門の作で、南蛮鉄を使用して制作した為か、
地金に独特な地景の入ったきら付く地金となる。
本作は地金が良く刃紋も健やかな作品で気持ちのよい一振りです。
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第310回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成26年9月26日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刃長:69.9センチ
反り:1.7センチ
目釘穴:2個
元幅:3.16センチ
先幅:2.10センチ
重ね:0.71センチ
体配:身幅、重ねしっかりと反り適度に付き切先やや延びごころの体配の良い刀
地鉄:小板目肌良く詰んで地錵が付き流れ柾がかり、
地景が細かく付き映りが現れる。
刃紋:焼き幅広く丁字乱れ主体に互の目乱れ、
尖り互の目乱れが華やかに混じり、
足、葉が盛んに働き砂流、金筋が働き飛焼、棟焼が入り野趣に富んでいる。
特に物打ちから切先にかけて盛んに焼き帽子、焼が深く乱れこんで掃掛る。
ヒント
1. 生である。反りは若干あり、切先延びごころ。
2. 華やかな丁字乱れに、映りが現れる。
3. 地金は板目肌に柾が交じる。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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