前回の回答は、
於江府長運斉綱俊/天保十二年二月日 でした。
特徴:長運斉綱俊は加藤八郎と称し号は長運斎で加藤和泉守国秀の三男。加藤綱秀の弟であった。
水心子正秀に学び当時流行していた濤乱刃を見事に習得する。その後は、備前伝の丁字刃に力をいれて鍛刀する。
弟子には固山宗次、高橋長信、青龍軒盛俊など数多くの門人を育てた。
特に龍軒盛俊とは交流が強く息子の二代是俊は山口におもむき学んでいる。
作風は固山宗次と良く似ており綱俊が互の目乱れの上部が花の開いた形態であるのに宗次はそれがなく
宗次の帽子の刃紋は圧倒的に乱れ込む手癖に対して綱俊は丸く返る作品が多い。本作の綱俊の帽子は乱れ込む
なお江戸時代末期天保頃には数多くの有名な刀工が活躍して技術を争ったためで、よい作品が集中している。
刀を見て出来の良い作品に関してはまず天保打ちと考えて良いといわれている。
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第322回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成26年12月19日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刃長:38.6センチ
反り:0.8センチ
目釘穴:1個
元幅:3.03センチ
先幅:2.49センチ
重ね:0.58センチ
体配:身幅やや広く重ねしっかりとした平打ちの脇差し。
表の先端に旗と剣を彫り棒を茎に至迄彫り棒樋を彫る
裏には棒樋と添樋を彫る
地鉄:小板目肌実に良く詰んで精緻な地金で地錵が微塵の付き地景が細かく入る。
刃紋:小錵出来、大互の目乱れ、濤乱刃となり匂口深く冴える
刃中、砂流、細かな金筋が良く働く。 錵は良く詰まり銀砂を思わせる見事な刃です。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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