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鑑定会:第355回



前回の回答は、
荘司筑前大掾藤原直胤(花押) /弘化四年二月日 でした。
特徴: 直胤は 羽前山形に安政七年(1778)頃羽前山形に生まれ、
荘司蓑兵衛と称し水心子正秀の門に入り後に正秀と共に秋元侯に仕える。
備前伝ばかりでなく相州伝にも優れ多くの傑作を残し、幕末の最上作に評価されている。
特に天保時代に作刀された直胤の作品は「天保打」と呼ばれ、同工の最も優れた作品が作られている。
天保五年(1834 )に作られた相州伝の作には重要美術品(3振り)に指定されているものがある。
文政四年~五年(1821~1822)頃筑前大掾を受領し、嘉永元年(1848)に美濃介に転じた。
作風は多彩で、文化初期頃は師と同様の大濤瀾乱れの作、天保頃には大和伝、
更に相州伝、美濃伝、山城伝の直刃を巧みにこなしている。
壮年期には備前景光・兼光の作風に似た逆がかった互の目丁字を多く焼き、
師である水心子正秀の唱えた実用論に沿った復古刀を目指したものと思われる。
各地で作品を残し幕末の最上作に評価されている。本作はまさに円熟期の出来である。
直胤は次郎太郎直勝、水心子正次をはじめとする非常に優れた門人を
多く輩出し安政四年(1857)に七十九歳で没した。 
本作は鎌倉時代の一文字を写しているのか、丁字乱れに互の目乱れを焼き
匂口の柔らかなそして刃縁はまさに傑作といって良い作品です。
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第355回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成27年09月12日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
この刀はだれでしょうか。
刃長:75.6センチ
反り:1.3センチ
目釘穴:1個
元幅:2.91センチ
先幅:2.07センチ
重ね:0.88センチ
体配:身幅尋常、重ね厚く、反りの浅い、長寸の刀。表裏に棒樋を彫る。生茎。
地鉄:小板目肌良く詰んで、ハバキ元に僅かに大肌交じり、地沸付く。
刃紋:錵出来、互の目乱れに丁字乱れが交じる。匂口深く、砂流しかかる。
帽子は小丸に返る。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。

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