前回の回答は、
末行でした。
無銘極めであるが:綾小路一派の末行
理由
1:地金が極めて詰んでおりますので山城の地金と見て取れます。
2:帽子の形が綾小路一派に見られる品位が感じられる
のたれて丸く先尖り御頃に返る帽子となります。
3:刃紋は小乱れの小互の目乱れとなり焼刃の上に
飛焼が働き時代の古さを感じさせます。
古刀の切先の刃紋は極めて重要でしっかりと見る習慣を身につけると
良いでしょう。制作された時代の刃紋か後に繕った刃紋かを良く見て下さい。
時代の特徴が帽子には良く現れます。
特徴:綾小路一派は、定利を初代として文永頃に活躍し
その流れを汲んで数多くの門人が活躍する。
本作は、定利の門人として活躍した末行で1293年年永仁頃に活躍する。
地金に多少の弛みがあるが、720年近くの長い時代が経過した作品であると考えますと、
自ずから頭が下がる品格さを感じさせます。
現在特別保存刀剣と鑑定され見事な作品と云えます。
多少地金に弛みがあるが幾星霜経た名品であるだけに許される。
現在特別保存刀として認定されております。
本作が大変貴重なのはこの末行が山城の作品と鑑定された事です。
刃紋、地金、帽子の形容はその時代の格調が窺われ
余程の大名家に伝わったに相違ありません。
是非愛蔵品に加えて頂きたい作品です。
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第481回:今回の鑑定 誰でしょうか?(平成30年3月17日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
ヒント
刃長:69.7センチ
反り:1.5センチ
目釘穴:1個
元幅:3.08センチ
先幅:2.07センチ
重ね:0.66センチ
体配:身幅、重ねしっかりとした刀で反りが適度に付き切先がやや延びた体配の良い姿をした刀。
地鉄:小板目肌実によく詰んで地錵が付き綺麗な小糠肌となる。
鎬地:柾目肌良く練れて綺麗な新刀地金
刃紋:錵出来、匂口の深い互の目乱れとなり足長く入り、砂流、金筋がよく働く。帽子丸く返る。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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