ご注文番号: 16759
刀:白鞘入り、拵え付き(第61回重要刀剣)
銘:肥前国河内大掾藤原正広(初代)
鞘書:田野辺先生
肥前国河内大掾藤原正広 従来の初代正広の河内大掾受領が寛永5年とする説は誤伝なりて近年考誌により寛永18年が正鵠なる事明らかとなれり。
本刀は11字の長銘を有し受領直後の貴重なる所作して出来殊の外宜しく傑作と数うべし。長2尺3寸8分余有之 探山邉道識(花押)
新刀:上作:業物:肥前
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております。
本作の出来は河内大掾藤原正広としては最上作にランクされます。
最上研磨済み
はばき:金着二重
刃長:72.2cm
反り:0.7cm
目釘穴:1個
元幅:3.02cm
先幅:2.24cm
重ね:0.58cm
時代:江戸時代寛永頃
体配:身幅が広く重ね厚く反り適度に付き鋒が延びた体配の良い作品。
地鉄:小板目肌実に良く詰んで地錵が付き所謂肥前独特の小糠肌となる。
刃紋:錵出来、匂口の深い互の目乱れで夏雲の積乱雲を思わせる独特な刃紋で匂口が深く高低に変化があり刃中、砂流、金筋が盛んに働き帽子、同様に匂口深く丸く返る。
特徴:
河内大掾藤原正広は吉信の子で初銘は正永で、寛永2年に正広に改める。
田野辺先生に鞘書きによれば寛永18年に河内大掾を受領する。
寛文5年2年59才で亡くなる。
技量に優れ特に互の目乱れの夏雲を思わせる刃紋は並ぶものがいない。
息子が二代を引き続ぎ父と同様の作品を数多く残した。
本作は河内大掾藤原正広の匂口の深い夏雲を思わせる互の目乱れで一見すると初代の武蔵大掾銘の作品に似る。
高技量であった事が窺い知れる見事な作品で最上研磨がほどこされております。
拵え:
鍔:円形の鉄鍔に風景を高彫りし金、銀、素銅で色絵をほどこす。
鞘:赤茶色石目地鞘
縁:赤銅魚子地に唐子の図を高彫りし金で色絵をほどこす。
頭:角
目貫:赤銅地に武者の図を高彫りし金で色絵をほどこす。
葵美術より一言:私見ですが新刀鍛冶の中で正広が上作に甘んじているのは不適当で新刀上々作ないし最上作にランクされる技量を有していると思います。
夏の空に浮かぶ積乱雲を思い起こす華やかな最上級の作品で刃中に長い金筋が働き一文字を思わせる風情があります。
是非この重要刀剣に指定された正広をお求め下さい。
第61回重要刀剣指定書
葵美術評価鑑定書:全身押し形