前回の回答は、
銘:於江府加藤長運斎綱俊(初代)
嘉永二二年辛亥八月吉日
長州藩磯村簡廉為好造之でした。
特徴:長運斎綱俊 は本作は初代長運斎綱俊による刀。
綱俊は和泉守國秀の三男で、山形藩工で濤瀾刃の名手であった加藤綱英の弟。
寛政十年(1798)生まれ。本国出羽、米沢藩上杉家の抱工という。
加藤八郎と称し、是俊とも銘した。水心子正秀に学び、長運斎と号す。
江戸に移住しさらに大阪に上がり、鈴木治國に師事したのち、
西国を遊歴、熊本に駐槌。安政三年(1856)には長運斎を息子の是俊、
二代綱俊に譲り、銘を長寿斎と改める。文政六年(1823)頃より
江戸麻布の上杉家中家敷に住み、文久三年(1863)十二月六十六歳で没した。
甥に七代石堂是一、弟子に固山宗次、高橋長信、青竜軒盛俊など優れた門人がおり、
幕末の江戸で一大流派を築いた。殊に備前伝では水心子一門を凌ぐ勢いであったと言う。
第497回:今回の鑑定 誰でしょうか?(平成30年7月27日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刃長:2尺3寸5分 (71.51センチ)
反り:7分 (2.1センチ)
目釘穴:3個
元幅:2.94センチ
先幅:2.265センチ
重ね:0.73センチ
体配:摺上げ、区送があるが完全に銘が残り
身幅が広く重ねがかなり厚く、反りが深く付き切先が延びた
体配の良い作品で表裏に棒樋を彫る。
地鉄:板目肌の杢目肌が混じり地錵が良く付き地景が良く働く。
刃紋:錵出来互の目乱れ、締まる部分と匂口の深い部分とが
構成され切先一枚風となって掃き掛ける。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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