前回の回答は、
越前守法城寺橘正照/加納彦大夫菅原玄和嗜宝でした。
特徴:法城寺橘正照は法城寺正弘の門人で後に出羽に住む。
江戸法城寺派の刀工として作風は師匠の正弘に良く似た作品を製作する。
井上真改にも似た作品で匂口が深く付き、足や葉が柔らかく刃入り
明るく冴えた作品です。同門には法城寺正照は貞国・国正・正弘活躍しその中でも
正照は太直刃のs区品が多く井上真改を思わせる出来の良い作品が多い。
法城寺正照は江戸法城寺派の刀工で、法城寺正弘の門に学び、越前守を受領し、
のちに羽後秋田に住したと伝えている。彼は一門中の上手であり、
殊に直刃の作 には優れたものがある。また正照には、上総守兼重と助九郎兼常との
三人合作の遺作が数口現存し、その他にも彼と上総守兼重、
四代康継との三人合作の刀及び出雲大掾吉武との合作刀などが見られ
彼等が密接な関係にあったことが窺い知られる。
この刀は板目肌が良く詰んで地景が入った鍛えに
匂口の深い直刃調に互の目乱れが盛んに入った刃を焼き匂深で錵が良く付き
細かに砂流が、かかり、匂口があ明るいなど法城寺一派の典型的な出来口を表している。
正照が最も得意とした太直刃の作例で同作中の優品であります。
加納彦大夫菅原玄和とは製作を依頼したと考えられます。
正照と同じ銘の切り方と考えられます
なを嗜宝とは加納彦大夫菅原玄和が好んだ宝物ということでしょうか。
いずれにせよ品格のある見事な出来です
第578回:今回の鑑定 誰でしょうか?(令和2年2月29日)
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刃長:2尺4寸6分5厘(74.7センチ)
反り:3分5厘(1.06センチ)
目釘穴:1個
元幅:3.35センチ
先幅:2.09センチ
重ね:0.79センチ
刀身重量:825グラム
体配:身幅が広く重ねやや厚く反り浅めとなり、切先がやや延びる。
地鉄:濃い為はだ良く練れて地錵が付き綺麗な大阪地金となる。
刃紋:刃区より直刃調となり、その先互の目乱れに大互の目乱れとなり足良く入り
拳丁字となり、刃中、砂流、金筋が良く働く。帽子丸くのたれて返る。
鎬地には焼が入り、野趣に富んだ荒々しさを感じさせる見事な出来となります。
ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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