前回の回答は、
陸奥大掾三善長道
でした。
特徴:三好政長の嫡子で通称藤四郎と称し寛永十年(1633年)に会津で生まれ叔父長俊から鍛刀技術を学び、
切り万治2年(1659年)陸奥大掾を受領し同時に三善長道と改める。
貞亨2年55歳で没す。
長道は虎徹に私淑し作風は酷似している。
帽子はくびれて丸く返る所謂蝮の頭を思わせる虎徹帽子の形態で反り浅く地金、精美で刃の明るい作品で虎徹に紛れる作風です。
会津虎徹とされ、切れ味鋭く、最上大業物十三工に虎徹と共に指定されている。
江戸に出て山野勘十郎久英称と交わり切れ味を研究したと云われている。
事実裁断銘の作品もかなり切れ味は凄まじかったに違いありません。
本作は地金の良さと明るい刃紋で匂口が深めの素晴らしい作品です。
刃区近辺の多少あれた部分はこて金と称し虎徹にも良くある見所とも云えます。
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第233回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成25年3月1日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刀
刃長:64.2センチ
反り:1.5センチ
目釘穴:1個
元幅:3.37センチ
先幅:2.58センチ
重ね:0.76センチ
時代:江戸時代末期
体配:身幅3.37cmと太く重ね厚く表に素剣を差裏に棒樋を彫る。
片面は片切り表は通常の鎬造りで切先大切先となった豪壮な作品です。
地鉄:小板目肌実に良く詰んで微塵の地錵が付き綺麗な地金となる。
刃紋:片面は錵出来互の目乱れ匂口深々と付き刃中、砂流、金筋が働き、帽子互の目で乱れ込む。
ヒント
1:この刀工は数代継続する刀工群。
2:比較的多い匂口の深い互の目乱れの刃紋。
3:体配の良い作品が多い。
4:合作や試し切りの刀を見かける。
5:刃紋は通常に匂口の深い互の目乱れが多い。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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