前回の回答は、
無銘(古三原)
でした。
特徴:本作は大摺上無銘であるが刀剣博物館で古三原に極まった作品です。
三原一派は鎌倉時代より備後で発展し室町時代迄続く刀工群であります。
隣国である青江と良く似た特徴を保有し交流があった事が分かります。
在銘が極めて少ないのは刀鍛冶が僧兵であった事であると考えられ大和系統の保昌、當麻、手掻、千手院、尻懸派の作品は在銘の作品が極めて少ない特徴が有ります。
その流れの古三原も同様であります。
南北朝以前を古三原と称し室町以降を単に三原と呼称いたします。
作風は地金が白気風の淡い映りを出し刃紋は直刃出来に小足が入り切先の刃が丸く返り掃掛る出来が多く一見すると手掻の紛れたり青江一派の作品に紛れる事が多いのです。
事実以前青江以外にもっていけない精良な刀を研磨したら古三原と鑑定された作品を拝見した事があり又逆もあるのです。
600年以上経過した貫禄ある作品です。
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第242回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成25年5月3日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
脇差
刃長:50.2センチ
反り:1.4センチ
目釘穴:1個
元幅:3.13センチ
先幅:2.22センチ
重ね:0.64センチ
時代:江戸時代
体配:身幅広め重ねやや厚く。
地鉄:板目肌肌立ち柾に流れ地錵が良く付き黒味を帯びた北国の地金となる。
刃紋:錵出来互の目乱れに小互の目乱れが混じり尖り刃を交えて切れ味の良さそうな刃紋となる。帽子丸く返る。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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