前回の回答は、
應則美需固山宗次作/天保十一年十月十三日於千住太々土壇拂
でした。
特徴:固山宗次は享和三年白河に生まれ初期は宗兵衛と称した。
白河松平家の抱え工であったが後に江戸に出て桑名藩工となった。
かなり作品が多く残されておりいずれも出来の良い作品が良く駄作がない。
特に鍛えの悪い作品は見た事がなく優れた作品が残されている。
作風は圧倒的に互の目乱れで帽子は乱れ込む特徴を持っている。
又長運歳綱俊の作風と酷似しているが綱俊の刃紋は互の目乱れの頭が
2ツに分かれる部分があるのが通常で固山宗次にはない。
又帽子の中は必ず乱れ込む特徴があり綺麗な丸い帽子であったなら銘を疑っても良い、
それ以外は良く似た作風である所からかなり親しい間柄であった事が分かる。
彼の作風は互の目乱れに終始しているのも特徴である。
兄に固山宗平、宗俊がおり作風も良く似ている。
明治の廃刀令によって刀剣制作を断念しなければならなくなった事は無念であったろうと推測される。
新新刀の上々作の作品で本作の様な末備前、中でも長船与三左衛門尉祐定と良く似た作品で流石
宗次の末備前写しが見事に成功している。
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第248回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成25年6月14日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刀
刃長:70.6 センチ
反り:1.2センチ
目釘穴:1個
元幅:3.30センチ
先幅:2.38センチ
重ね:0.78センチ
体配:元幅:3.30センチと広く重ね厚く切先の延びた作品でかっちりとした健全な刀。
地鉄:小板目肌良く詰んで地錵が付き地景が入り見事な美しい肥前地金となる。
刃紋:錵出来中直刃にのたれが混じり刃中、砂流、金筋が入り匂口深々と付き、
帽子同様に深く丸く返りが深い。
ヒント
1:匂口の深い中直刃にのたれが混じり帽子は匂口の深い丸い帽子
2:地金は実に良く詰んで地錵が厚く細かな地景が入る
3:刃区近辺の刃紋は刃区に接する事なくぷつんと消える特徴がある。
4:鑢目は画像の通り。
5:銘が裏にある。 脇差は表に銘を切る
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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