前回の回答は、
荘司筑前大掾大慶藤直胤 (花押)/文政十三年仲春 でした。
特徴:大慶直胤は、出羽の國に生まれ文政4年に筑前大掾を受領する。
その後、江戸に出て水心子正秀に入門する。
そこで備前伝相州伝等を学び出藍の誉れと云われる技術を習得しました。
正秀は復古刀を唱える中で直胤は渦巻き状の地鉄を制作し
師匠とは全くかけ離れた作品をものにしている。
天保打の重要美術で相州伝の作品を拝見した事がありましたが
まるで古刀の相州伝に迫る作品に驚いた事がありました。
備前伝はほとんど映りが現れる作品でく明瞭な映りが現れ
高低のある丁字乱れの互の目乱れが交じります。
本作は相伝備前の刀で相州伝の華やかな刃紋と備前伝が混じった
刃中の働きが見事な作品です、
寒山先生の鞘書には佳作の一也と記載されている。
正に見事な傑作品であります。
無瑕、欠点のない最上作を是非お求め下さい。
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第291回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成26年5月16日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
刃長:47.3センチ
反り:1.0センチ
目釘穴:2個
元幅:2.85センチ
先幅:1.96センチ
重ね:0.58センチ
体配:大磨り上げ無銘。表裏に棒樋を堀る。反りやや深く、帽子延びごころの体配の良い作品です。
地鉄:小板目肌に、杢目が混じり、地錵が付き、地景が入り、地に淡い、映りが現れる。
刃紋:小錵出来、小丁字乱れ、足、良く入り、ところどころ金筋が入る。帽子、乱れ込んで、先掃きかける。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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