前回の回答は、
石堂運寿是一精鍛/慶応元年八月日でした。
特徴:石堂是一は叔父の長運斎綱俊について鍛刀の技を学んだ後、
石堂家の七代目を継いで是一と称した。本作は石堂派の御家芸ともいい
相伝と備前が混じった相伝備前と言われる見事な作品です。
角元興・勝村徳勝など多くの門人を育成しており特に角元興とは是一との合作刀を良く見かける。
作風が殆ど変わらないのは角元興が石堂運寿是一の作品の制作を手伝っていたと考えられる。
この作品は長寸で豪壮な体配を示しており、
小板目肌よく詰んだ精美な鍛えに地沸つき、刃文は華やかな互の目乱れに
小湾れ交じり、逆足よく入り、匂深く小沸つき、地刃共に明るく冴えた優品です。
現在迄に20振り近くの是一が重要刀剣に合格しておりますが、
私見ではまず匂口の深さ、華やかな刃紋から是一の筆頭の作品と考えられ
抜群の出来を示しております。
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第383回:今回の鑑定 誰でしょうか? (平成28年4月15日)
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ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
この刀はだれでしょうか。
刃長:2尺0寸7分(62.72センチ)
反り:6分(1.8センチ)
目釘穴:2個
元幅:2.73センチ
先幅:1.96センチ
重ね:0.55センチ
体配:大摺上無銘で現在では元穴も無く身幅、重ねやや小振りで
表裏に棒樋を彫り反り深く優美な体配をした作品です。
地鉄:板目肌良く練れて杢目肌が混じり地錵が付き
地には映りが表れ品格のある最上の地金となる。
刃紋:小互の目乱れ、錵が良く付小足が入り
刃中、朝霧の様が思い出される中に
匂口の深い柔らかな互の目乱れとなり金筋が働く。帽子も同様で焼き詰め風となる。
ヒント
1:大摺上無銘ですが反りやや深くやや細身
2:地金が良く板目に杢目、大板目肌が混じり映りが現れる
3:刃紋は小互の目乱れに朝霧の雰囲気の中に足が良く入り
刃縁柔らかく細かな金筋が入り帽子同様に乱れて先焼詰め風となる。
4:格調の高い雰囲気を保持している。
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回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
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(弊社都合により鑑定コーナーに関するメールには返信できませんのでご了承ください。)