前回の回答は、
陸奥大掾三善長道藤四郎/寛文十戌庚年八月日でした。
特徴: 陸奥大掾三善長道藤四郎初代三善長道による刀。
長道は陸奥会津藩工である三好長政の長男で通称は藤四郎。
十六歳で父と死別し父の門人長俊の教えを受ける。当初は道長と称していたが
万治二年(1659)二十六歳の時上洛し陸奥大掾を受領、
そのとき口宣案に「三善長道」と誤記してあったので以後それに従った。
虎徹に私淑し、作風が酷似する。会津では会津正宗,会津虎徹とも呼ばれた。
徹底的に追求された切味の良さは殊に有名で、多くの愛刀家の垂涎の的である。
延宝年中に江戸に駐槌,自力作を山野久英に試させ,二ツ胴,三ツ胴の好成績を示した。
山田浅右衛門吉睦がその著書「古今鍛冶備考」において、
自らの試斬の経験から最上大業物十二選の中の一人に選んでいる。
研鑽を重ねた結果、出来の良い物は虎徹を上回り、截断銘のある刀も多い。
貞享二年(1685)五十三歳で没した。二代長道以下代々藩工として活躍し明治の九代長道に至った。
本作は通常より若干刃紋の匂口が締まりごころで、
強そうな地鉄と相まっていかにも切味が良さそうで迫力が有る。
この刀が珍しいのは藤四郎と銘を切り裏銘の寛文十戌庚年八月日がある事です。
なおこの作品は藤代刀工辞典に所載されております。彼が最も油の乗り切った40歳の作品であります。
================================================
第451回:今回の鑑定 誰でしょうか?(平成29年8月12日)
================================================
ヒント ※画像をクリックすると拡大します。
ヒント
刃長:2尺2寸5分(68.2 センチ)
反り:5分(1.5センチ)
目釘穴:1個
元幅:2.98センチ
先幅:2.78センチ
重ね:0.88センチ
体配:長巻を摺上げ無銘とした刀で
身幅が広く大切先の体配をした作品。
地鉄:板目肌の杢目肌が混じり地錵が付き
大板目が混じり黒味のする練れた地金となる。
刃紋:小錵出来、小互の目乱れとなり足、
葉が盛んに働き刃中、砂流、金筋が盛んに働く
帽子乱れ込んで足が働き砂流、金筋が働く。
================================================
回答は次回の鑑定会コーナーで発表致します。
================================================
(弊社都合により鑑定コーナーに関するメールには返信できませんのでご了承ください。)